キャリアJUMPは、あらゆる職業について徹底解説するいわば『職業図鑑』です。この記事で紹介する品質管理は、製造業(メーカー)において製品の品質を測定、分析、改善し、不良品を減らすことで顧客の満足度と信頼性を高める仕事です。
さらに製造工程の問題点や改善なども仕事で、消費者の安全と安心を守れる製品を効率的に生産するために欠かせない職種です。この記事では、そんな品質管理のお仕事を紹介いたします。
品質管理とは?品質保証との違いも
品質管理とは、主にメーカーなど製造業界の製造工程において品質に問題が無いかの確認、高品質なものを効率よく生産するために生産工程の見直しなどを行う仕事です。「製造工程の最後の砦」とも呼ばれ、顧客の安全や企業の名誉を守るための重要な役職です。
品質保証とは名前が似ていて、確かに業務は重複しているものの明確に違う職業です。品質保証は「製造工程において製品の品質が基準を満たすようにする」のが主な業務のため、品質のチェックや作業工程の改善を行う役職です。品質保証の方が行う業務の幅が広く、品質管理の業務の一部に品質管理があると言えます。
品質管理の仕事内容は主に3つ
品質管理は、製造に大きな責任を持つ重要なポジションのため、非常に多くの仕事があります。ここでは大まかな流れと、業務の概要をざっくりと紹介します。
工程管理
工程管理ではまず、品質が一定の基準を満たしているかつ安全に生産を行えるように、作業手順や生産工程の設定や設備の点検、見直しを行います。また、高品質の製品を生産し続けられる人材を育成するための教育も行います。このように品質管理者は、生産工程において常に正常な状態に保たれるように管理を行う責任者です。
品質・工程検証
次に品質・工程検証では、生産されている製品が品質を図る一定の基準を満たしているかどうかを検査をします。問題なく生産が行われているかどうかなどを確認していき、万が一不具合が生じた際に早急に対応できるよう努めます。これらは定期的に行うもので、滞りなく生産が進んでいるかを責任持って管理します。
品質・工程改善
最後に品質・工程改善です。品質・工程改善では、工程検証の際に発見した不具合への調整や再発の未然防止、工程の改善点などへのアプローチなどを行います。
大まかな仕事内容はこのようになっていますが、「どの業界でどの規模の製品製造を管理するか」によって、実際の仕事内容にはかなり差があります。業界によって生産工程に大きな差がある他、企業の規模によって品質管理一人が担当する業務の幅にも違いが生まれるためです。自らの性格やキャパシティなどによって、活躍する場を選びましょう。
品質管理は未経験でも転職できる?
結論、未経験から品質管理への転職は可能です。品質管理は、メーカー業界での偽装やデータ改ざんなどの事件を受けて企業はブランドイメージの保護を重要視しつつあり、品質管理部門への求人は増加しています。未経験者かつ中途でも採用している企業は多いです。
製造関係は基本的に理系の分野で、実務経験を重要視する企業も多いため、業界全体としては決して誰にでも挑戦できるわけではありません。しかし基本的に30代前半までであれば、特別な知識や営業経験がなくても採用される可能性が高いです。30代前半を過ぎた場合であれば、製造現場での実務経験を持っていることが望ましいです。
品質管理に有利な職歴
これらの職歴があれば、品質管理への下積みに似た経験として機能するでしょう。しかし、これらの職歴を持つ人はそう多くはないですよね。大手メーカーへの就職を目指す場合、まずは製造スタッフとして経験を積んでおくことが着実に品質管理に近づける戦略かもしれません。
品質管理を目指す際に有利な資格
資格名 | QAエンジニアへの活かせるポイント |
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品質管理検定(QC検定) 3級 | 品質管理の実践と手法に関する知識が身に付く。品質管理や品質保証の仕事に役立つ。 |
基本情報技術者試験 | 品質管理者として必要なITの基礎知識、基本的な技能が身に付く。 |
応用情報処理技術者試験 | より専門性の高いIT知識の知識が手に入り、キャリアアップに役立つ。 |
ITパスポート | IT全般の総合的な基礎知識が身に付く。IT資格の中では難易度が特に低い。まず取得しておくのがおすすめ。 |
JSTQB認定テスト技術者資格 | ソフトウェアにおけるテストの進捗やモニタリングソフトウェアテスト技術などが習得できる。 |
ソフトウェア品質技術者資格認定(JCSQE) | ソフトウェア品質向上に関する知識、テスト計画の立案や検証スキルが身に付く。 |
品質管理では、IT技術に深く関わる知識が求められます。よってこれらの資格を取得すれば、品質管理に関わる基本やソフトウェアテストなどの専門知識を身につけられ、キャリア形成に役立ちます。
品質管理のキャリアパス・おすすめの転職先
このように、製造工程で培える機械を扱う専門的な技術力を活かしたキャリアパスが目立ちます。機械技術を直接活かせる機械エンジニアやメンテナンスの他、理系出身であれば研究職への転職も可能性の一つです。
成長の幅を広げたい、若い人材が多くいる現場で切磋琢磨したいという方には、海外向けに製造を行っているグローバル企業が人気の転職先です。同業種であれば、すんなり適応ができる他給与アップにも繋がりやすいメリットがあります。
メーカーでの経験を活かしてより高い年収を目指せる他に、経営の視点を身につけられる製造業コンサルタントもおすすめです。品質管理・品質保証経験者は特に重宝されており、メーカー出身者は現場の理解が深いため、コンサルティングファームでも活躍が期待されます。