商社営業の仕事内容は?未経験からの転職方法や必要スキル/資格・向いてる人など解説

キャリアJUMPは、あらゆる職業について徹底解説するいわば『職業図鑑』です。この記事で紹介する商社営業は、さまざまなメーカーの製品を取り扱い、顧客企業への提案や販売を行う職業です。この記事では、そんな商社営業のお仕事を紹介いたします。

商社営業は大きく分けて2つ

総合商社

総合商社は、多岐にわたる商品やサービスを扱うのが特徴です。主要な業務は商品の流通を担当するトレードと、事業投資の2つに分けられます。事業投資は、国内外の企業への出資や経営参加を行い、企業価値の増大や配当を通じて収益を上げる活動を指します。近年事業投資の割合が増加しており、エネルギーや社会インフラ関連の大型プロジェクトが多くなっています。総合商社は多岐にわたる商品を扱うため、一度配属された部門でのキャリアを進めることが一般的です。そのため配属のリスクがあり、希望の部門に就けない可能性もあります。

専門商社

専門商社は、特定の業界や商品カテゴリーに特化して営業を行うのが特徴です。深い専門知識や特定のマーケティング力を持つことが強みとなっています。主な業務はトレードで、専門知識を活かしてファイナンスや商品開発を行うこともあります。専門商社には、大手の子会社として特定の商材を扱うタイプ、特定のメーカーの製品を主に扱うタイプ、そして独自の歴史やコネクションを持つタイプの3つが存在します。専門商社は特定の分野に深く特化しているため、その分野の最新の技術やトレンドを迅速にキャッチし、顧客に高度な提案やソリューションを提供することができます。

商社営業の仕事の流れ

まず、市場の動向やニーズを正確に把握するための市場分析を行います。市場のニーズに合わせて、適切な商品をメーカーや他の取引先から仕入れます。この市場分析の結果を基に、新たな顧客や取引先を見つけ出すための新規開拓の活動を進めます。新しい顧客を見つけたら、その顧客に対して商品やサービスの特徴、価値などを伝えるための売り込みの営業活動を行います。顧客の反応や要望を受けながら、商品の仕入れ価格や納期、品質などに関して供給業者との間で交渉を進めます。

交渉がまとまったら顧客の要望や交渉結果を基にして、見積もりを作成します。そして、双方の合意のもとで契約を締結します。契約が締結された後も、商品の納品やアフターサービスを提供することで顧客満足度の向上を図り、長期的な関係を築くのも仕事です。

メーカー営業との違い

商社はメーカー営業が自社の製品のみを扱うのに対し、商社営業はさまざまなメーカーの製品を幅広く取り扱っている違いがあります。

メーカー営業

自社で生産された製品を直接販売しています。そのため製品の詳細や特徴に深い知識を持っており、顧客に対して詳しい情報提供やアドバイスなどを的確に行っています。取り扱う商品の数や規模には限界があるため、ある程度決まった商品の営業のみを行います。そのため、商社営業に比べると仕事が単調で楽に感じる人もいます。

商社営業

複数のメーカーから製品を仕入れ、それを販売する役割を持ちます。多様な製品を取り扱うため、幅広い知識が求められる仕事です。自社で生産した商品の倉庫を持たないため、幅広い商品の営業を行えることから、メーカー営業と比べると単調にはなりにくい特徴があります。しかし単純な仕事量はメーカー営業よりも多い特徴があります。

商社営業は未経験でも大丈夫?

商社営業に憧れを持っていて、転職を目指している方もいますよね。未経験からでは転職ができないのでは?と心配している方も多いでしょう。しかし、商社営業への転職は未経験者でも十分に可能です。実際、商社営業に関連の少ない前職でのスキルや経験でも適切にアピールすることで、多くの企業はあなたのポテンシャルを高く評価してくれる可能性が高いです。

転職するのに有利な職歴

ここでは、商社営業への転職を目指す際に有利な職歴を紹介します。

メーカー営業

特定の製品や技術に関する深い知識と、顧客との関係構築の経験を持つメーカーの営業職は、商社営業でもそのスキルが直接役立ちます。特に、商社が取り扱っている商品カテゴリーと関連するメーカーでの営業経験は、非常に有利となります。

専門分野での職歴

営業以外にも、例えばエネルギーや食品、機械などさまざま業界での専門知識を要する経験は、その業界に特化した商社や部門での営業職において大きなアドバンテージとなります。業界のトレンドや市場の動向、競合他社の情報などを既に知っていることをアピールできれば、特に専門商社では有利になります。

海外支社や外資系企業

商社では、海外の企業と交渉、契約を交わす場面が多くあります。会社で海外の企業と多く関わる仕事に就いていた人は、商社営業に有利に働くでしょう。

商社営業に向いているのはこんな人!

コミュニケーション能力が高い人

 商社営業では顧客との関係構築や製品の提案が中心となるため、明確なコミュニケーション能力は必須です。商品の魅力をしっかりとアピールしつつ、顧客の要望も十分に引き出せる言語能力がある人材が求められます。

好奇心旺盛で新しいものに挑戦できる人

商社の業務は多岐にわたってさまざまな業界や商品、国や文化と関わることが日常的です。そのため常に新しい知識や未知の領域に対して自然と興味を持ち、積極的に学び取ろうとする好奇心旺盛な人材が求められます。また新しいものにチャレンジできる人材は、取引先や市場のニーズは常に変わっているため、その変化に柔軟に対応して新しい提案や戦略を考え出せる人材も向いています。

海外経験や外資系企業で勤めていた人

 商社では海外の企業を顧客として取引を行う場面が多々あるため、英語のスキルが非常に重視されます。ビジネス英語を扱えるスキルがある方だと、採用の際特に有利に働くでしょう。

商社営業に必要・活かせる資格

商社営業には、必要な資格はほとんどありません。業界によって必要な知識も異なるため、業界ごとに調べてみましょう。ここでは、一般的にあると便利な資格を紹介します。資格については、入社後に勉強して取得するのでも十分です。

・簿記資格(簿記2級・3級など)

製品の価格設定や見積もり、契約時の金額交渉など、金銭的な知識が関わる場面で、信頼性を高めるために役立ちます。

・TOEICやビジネス英語資格

 外資系会社の顧客との営業や外資系メーカーの商品を取り扱う場合、英語のスキルは必須となります。TOEICのスコアやビジネス英語の資格は、その能力を証明する手段として有効です。

商社営業のキャリアパス

商社営業として経験を積んで管理職に就く

営業として経験を積み、一流の営業マンとして成果を上げれば営業チーム全体をまとめるリーダーポジションとしてのキャリアを積むことが選択肢として挙げられます。

外資系の商社に転職する

国内の企業を主に相手取る商社に所属している場合は、外資系の国際的な取引を行う商社への転職の方が収入アップする場合があります。海外の取引先との関係構築や新しい市場の開拓など、国際的なビジネスを経験することができます。

経営層へ昇進する

商社の経営戦略の立案や、新しいビジネスモデルの開発など、経営層としての役割を担うことも考えられます。

商社営業に関連する仕事

メーカー営業

メーカー営業は商社営業と仕事内容が似ていますが、自社で生産、販売している商品について売り込む営業を行っています。取り扱う商品を自社のものに絞り、顧客に魅力をきちんと伝えるのが仕事です。

広告営業

広告営業は自社のメディアに広告出稿をお願いしたり、他社の広告出稿を手伝ったりする仕事です。広告で扱うのは、テレビやラジオのCM枠の提供だけでなく雑誌や新聞、ウェブサイト、屋外広告などの多岐にわたるメディアの広告スペースの提供も含まれます。

物流業界の営業

商社営業と物流業界の営業職は、商品の流通という共通のテーマを中心に関連している職業です。物流業界は、この商品の輸送と配送を担当して商品が正確かつ迅速に目的地に届くようサポートしています。物流業界の営業職は商社が顧客になるため、多くの関わりを持ちます。

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