秘書の仕事内容は?向いてる人や未経験からの転職方法を徹底解説

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秘書の役割とは?

秘書の役割は、主に経営者や上級役員、政治家、弁護士、医師など専門家の総務業務をサポートすることです。 具体的な業務には、スケジュール管理と調整、来客対応、会議や商談・イベントの準備、社内外のコミュニケーション、書類作成などが含まれます。また、情報や資料の収集も秘書の仕事の一部であり、一部の職場では経理事務も担当することがあります。

秘書業務は企業によって異なり、社長職であっても秘​​書のサポートを必要としない企業もあれば、専務職や部長などの管理職にも秘書がついてサポートする企業もあります。グループ秘書(複数人のチームでオーナーをサポートする)と、外資系企業や法律事務所などに多い個人秘書(主役に1対1でサポートする)の2つの形態があり、業務の幅や勤務時間は形態によって異なります。

秘書の仕事内容

秘書の仕事は多岐にわたり、ついた上司によって期待される業務内容も多様です。上司の仕事内容や日々のスケジュール、好みなどを細かく把握し、適切な支援を提供する必要があります。秘書の仕事は個人によって異なりその仕事の範囲もさまざまですが、共通して重要な役割があります。ここでは、秘書の主要な業務内容に焦点をあて、5つのポイントを紹介します。

スケジュール管理と調整

上司のスケジュールを管理し、会議や商談、イベントなどのスケジュールを適切に調整します。スケジュールの変更にも柔軟に対応し、効率的な予定を実現します。

オフィスへの来客の対応

来客を迎え、応対します。礼儀正しい対応やビジネスマナーを持ち、来客の快適な滞在をサポートします。来客に必要な情報や資料を提供することも仕事の1つです。

会議や商談・イベントの準備

会議室の手配、資料の作成、参加者への連絡調整など、スムーズな進行をサポートします。

クライアントや関係者とのコミュニケーション

電話応対や電子メールの管理、重要な情報の伝達など、スムーズな情報交換を実施します。

書類作成

契約書、報告書、プレゼンテーション資料など様々な書類の作成を担当します。文書作成のスキルが求められ、専門的な文書も取り扱うことがあります。

秘書の年収

求人ボックスの情報によると、秘書の仕事の平均年収は約323万円で、日本の平均年収と比較すると低い傾向にあります。また、月給で換算すると27万円、初任給は21万円程度が相場のようで、派遣社員やアルバイト・パートでは平均時給がそれぞれ1,451円、1,089円となっています。
ただし、これらの数字は一般的な目安であり、地域や業界、経験によって大きく変動します。大都市圏では一般的に年収が高くなる傾向があります。秘書の年収について具体的な情報を得るには、求人情報や業界調査を参考にすることが重要です。秘書職の年収は個人のスキルや経験、市場の需要に応じて異なることに注意してください。

求人ボックス

秘書の年収が高い理由

秘書の年収が高い理由は、いくつかの要因によります。
まず、秘書は高度なスキルと知識を必要とし、スケジュール管理、書類整理、コミュニケーションスキル、プロジェクト管理など多彩なスキルを持っており、これらのスキルは高い価値があり、高給与につながります。

また、秘書は機密情報に触れることが多く、その情報を適切に管理する信頼性が求められます。高い信頼性を維持するためにも高給与が支払われることがあります

さらに、秘書は上司や組織のスムーズな運営に貢献し、時には重要な意思決定をサポートします。そのため、高い責任とプレッシャーがかかり、これに見合った給与が支払われることがあります。

組織の規模や業種によっても給与水準は変動しますが、大手企業や国際的な組織での秘書職は通常高給与で、特定の業界での専門知識を持つ秘書も高給与を期待できます。

秘書の種類

個人つき秘書

個人つき秘書は、特定の上司や専門家(例: 社長、政治家、弁護士、医師など)に対して、1対1でサポートを提供します。彼らの役割は非常に多岐にわたり、上司のスケジュール管理、来客応対、書類作成、会議やイベントの準備など、さまざまな業務を担当します。個人つき秘書は、上司の好みや要望に合わせたサポートが求められ、信頼性と適応力が重要です。

グループセクレタリー

グループセクレタリーは、複数の上司やチームをサポートする役割を果たします。彼らは複数のスケジュールを調整し、コミュニケーションを管理し、チーム内での連携を円滑にする役割を担います。個人つき秘書と比較して、広範な業務を担当し、複数の要求に対応する必要があります。

弁護士秘書

弁護士秘書は、法律事務所で働く秘書で、法律業務に特化したサポートを提供します。彼らは法的文書の準備、訴訟手続きのサポート、クライアントとの連絡調整など、法律関連の業務を担当します。法律知識と専門的なスキルが必要であり、業界固有の規制に従うことが求められます。

議員秘書

議員秘書は、政治家や議員を支援し、政策に関する業務をサポートします。彼らは政策調査、コミュニケーション戦略の立案、選挙キャンペーンの準備など、政治に関連する多様なタスクを担当します。政治の知識とコミュニケーション能力が不可欠です。

役員秘書

役員秘書は、企業の重要な役員(例: CEO、CFO、COO)を支える役割を果たします。彼らは戦略的な計画のサポート、会議資料の作成、重要な決定への準備、重要なステークホルダーとの連絡調整など、高度なビジネスサポートを提供します。ビジネス洞察力と戦略的思考が必要です。

それぞれの秘書の種類は異なる業務領域に特化し、専門的なスキルや知識が求められます。適性や興味に応じて、特定の分野で秘書としてキャリアを築くことができます。

秘書は未経験でもなれる?

秘書職には特別な資格や学歴が厳格に求められるわけではありません。つまり、未経験から秘書としてのキャリアを築くことは十分に可能です。ただ正直なところ、多くの企業は実務経験を重視し、経験者を採用する傾向があることも現実です。
それは、秘書業務において実務経験が最も重要であり、過去の秘書業務でどれだけの経験を積んだか、どのような業務を遂行したかが評価されるからです。また、秘書業務に関連するスキルと知識、特にスケジュール管理、書類整理、コミュニケーションスキル、ビジネスソフトウェアの使用能力なども重要な要素です。
秘書は上司やクライアントとの効果的なコミュニケーションが不可欠なため、コミュニケーションスキルの高さや他のチームメンバーや関係者との連携能力も評価されます。組織や業界によって秘書業務の性質が異なるため、新しい環境や変化に対応できる姿勢も求められます。

ただし、中小企業や新興企業では未経験者を歓迎し、育成の機会を提供することがあります。そのため、適切な機会を見つけ、自己啓発やスキルの習得を進めることが成功への第一歩です。

総括すると、秘書職に挑戦するためには特別な資格や学歴は必要ありませんが、ビジネスマナーやコミュニケーションスキル、実務経験が求められます。未経験者でも、適切な努力と機会を掴む意欲があれば、秘書職に進むことは可能です。

秘書に必要な資格は?

秘書に必須資格は存在しませんが、以下の資格を取得していると即戦力になりやすく、採用されやすい可能性が高いです。

資格/検定名概要
秘書検定秘書業務の基本的なスキルと知識を評価する資格です。これを持っていると、応募の際に自己アピールの材料となり、雇用主にとって信頼性が高まります。
ビジネス実務マナー検定ビジネス環境でのマナーやプロフェッショナリズムを評価する資格です。 関係者やクライアントとの交渉的なコミュニケーションが求められるため、この資格は非常に役に立ちます。
日商PC検定日商PC検定は、基本的なオフィスソフトウェアのスキルを証明する資格であり、効率的な業務遂行に役立ちます。
これらの資格を持っていると、雇用主は応募者が基本的なスキルと知識を持っていることを確信しやすくなり、新しい秘書としての仕事を迅速に始めさせることができます。もちろんそれだけでなく、実務経験やコミュニケーション能力、問題解決能力が重要です。これらのスキルを発揮することが、成功する秘書としての鍵となります。
特許翻訳技能検定(Patent Translator Certification)法務関連の秘書や特許事務に従事する専門家向けの資格です。この資格は、特許関連の文書や知識を翻訳するためのスキルを評価します。特許文書は専門的で技術的な内容が多く、正確な翻訳が必要です。特許の出願や審査、紛争解決に関連する文書を翻訳する場合、この資格を持っていることは非常に有利です。特許翻訳技能検定は、翻訳の正確性と専門知識の深さを証明するもので、特許業界で働く秘書にとって価値のある資格となります。
プロジェクトマネジメント関連資格(例: PMP – Project Management Professional秘書がプロジェクトの管理や調整を行う場合に役立つ資格です。プロジェクトマネジメントは、計画、実行、監視、制御、閉鎖などのフェーズでプロジェクトを効果的に管理するスキルを指します。この資格は、プロジェクトの計画やスケジュール管理、リーダーシップ、コミュニケーション能力などを証明します。秘書がプロジェクトの成功に寄与するために、プロジェクトマネジメントの資格を取得することは価値があります。
法律関連資格 (例: 法律事務補佐技能検定)特に弁護士秘書として働く場合に重要で、司法書士資格や法律事務手続きに関する資格(例: 法律事務補佐技能検定)などが考えられます。これらの資格は法的文書の準備、訴訟手続きのサポート、クライアントとのコミュニケーションなど、法律関連の業務に必要なスキルと知識を証明します。弁護士秘書としての職務は法律事務所や法律部門で行われ、法律の専門知識が求められるため、これらの資格は役立つでしょう。

秘書に向いている人は?

秘書に向いている人は、自己主張よりもサポート力を発揮できる人、細かい気遣いができる人、効率的に仕事を進める能力を持つ人、組織や情報の管理が得意な人、そして機密情報を守る信頼性がある人です。秘書職は上司や組織の成功に尽力する役割であり、謙虚さ、洞察力、コミュニケーション能力も必要です。

サポート力がある人

秘書の役割は、他の多くの職業と異なり、自分が主役として活動するのではなく、議長やクライアントの成功に向けて裏方で支えることが求められます。そのため、自身の業績や業績を重視するのではなく、オーナーが最高のパフォーマンスを発揮できるように全力で取り組むことが重要です。

細かい気遣いができる人

秘書は日常的にさまざまな詳細なタスクを担当します。このため、細かい調整や書類の整理、来客対応において、小さな間違いやミスをせず、細かい気遣いができる人は、これらのタスクを適切に実行し、トラブルや紛争を考慮に役立ちます。

優先順位をつけるのが得意な人

秘書は情報、書類、スケジュールなど多くのデータを管理します。正しい整理術や計画力が必要で、情報を迅速に取り出し、誤りを防ぐことが求められます。適切な優先順位の設定により、重要なタスクが迅速かつ効果的に処理されることはもちろん、上司やクライアントからの信頼が厚くなることは間違いないです。

秘書として成功するためには、自己主張よりもリーダーやクライアントのニーズを優先し、彼らの目標達成に向けて全力で協力する姿勢が大切です。自己満足感よりも、他人の成功に満足感を見出して細かな配慮が自然とできる人や、管理が得意な人が適性を発揮しやすいでしょう。

秘書はつらい・・・?

秘書の仕事にはいくつかの辛い側面が存在します。まず、多忙なスケジュールによる時間の制約が挙げられます。上司やクライアントのスケジュールを調整し、イベントや会議の準備を行うため、自身の時間管理が難しくなることがあります。長時間労働も一般的であり、残業や急な仕事の依頼に対応する必要があります。

また、秘書の仕事は高いプレッシャーやストレスが伴うことがあります。上司やクライアントの期待に応える必要があり、誤りの許されない状況も多いため、仕事に対する圧力がかかります。さらに、細かな気配りが必要で、上司やクライアントの好みや要望に合わせるための努力が求められます。

秘書は予測不能な状況に適応する必要もあります。急な予定変更や緊急の業務が発生することがあり、柔軟性が要求されます。また、コミュニケーションも難しい側面があります。上司やクライアントと円滑に意思疎通を図る必要があり、時には感情や意見の対立もあるかもしれません。

これらの辛さに対処するためには、適切なスキルとストレス管理の技術が必要です。また、自己啓発やスキル向上を通じて、仕事に対する充実感を見出すことが大切です。秘書としてのキャリアを築くためには、これらの困難に立ち向かう覚悟が求められます。

秘書の将来性は?

秘書はAIに代替されない将来性のある職種です。これには以下の理由があります。

 コミュニケーション能力が必要な職種だから

秘書は関係者との丁寧なコミュニケーションが重要な職種です。AIは情報処理には優れていますが、感情と人間関係の構築には限界があります。

状況判断と臨機応変性が必要だから

予測不可能な状況に対応し、臨機応変な判断を下すことが秘書の役割です。AIは事前にプログラムされたデータに基づいて行動しますが、変化や予測外の状況に適切に対応する能力は限定的です。

戦略的思考と問題解決能力が必要だから

秘書は上司の業務をサポートしながら、戦略的な視点で問題を解決する必要があります。AIはデータの解析や情報提供に優れていますが、戦略的な思考力や創造性はやはり人間の方が得意です。

多岐にわたる業務があるから

秘書の仕事は多岐にわたり、スケジュール管理から書類整理、来客対応、会議の準備、コミュニケーションの仲介化など、複数の業務を担当します。AIは特定のタスクに特化しているため、これらの多様な業務を進めるのは難しいです。

総合的に考えると、秘書は単純情報処理以上の要素が含まれており、感情、臨機応変性など、人間の特性が必要です。これらの要素はAIが完全に代替することが難しいため、秘書はAIに代替されにくいと言えます。

秘書のキャリアアップは?

秘書のキャリアアップにはいくつかの道があります。以下にいくつかのキャリアアップの例を紹介します。

上級秘書またはエグゼクティブアシスタント

秘書から昇進して、より高いポジションでリーダーをサポートする場合があります。上級秘書は、経営陣の要求に応じ、重要な決断に参加することもあります。

プロジェクトマネージャー

秘書の経験を踏まえて、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアに進むことができます。プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体を計画、実行、監視し、成功に導く役割を果たします。

オフィスマネージャー

秘書はオフィス内の効率性を高めるために重要な役割を果たしています。 この経験を活かして、オフィスマネージャーとして昇進することができます。 オフィスマネージャーはオフィス運営全般を管理し、従業員のサポートや施設管理を担当します。

これらのキャリアアップ例は、秘書が自分の興味や強みに合わせて豊富に選択できることを意味しています。重要なのは、自分の目標や能力に合ったキャリアパスを見つけ、必要なスキルや経験を積み重ねることです。

 まとめ

秘書職は、経営者や専門家の成功に必要な役割を果たす重要な職種です。サポート力、気配り、効率性、管理能力、そして機密情報の取り扱いに優れた人々にとって大きな活躍ができる場です。AIの発展とは関係なく、秘書職は人間の独自のスキルと洞察が必要な領域として存在感を保っています。上司の成功に貢献し、個人としてのキャリアを築ける秘書職を目指す皆さんの成功を祈ります。

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