BizDev(事業開発)の仕事内容は?未経験からの転職方法や必要スキル/資格・向いてる人など解説

法人営業

キャリアJUMPはあらゆる職業について徹底解説するいわば『職業図鑑』です。この記事で紹介する動画BizDev(ビズデブ)は新しい職種で、企業の新しい成長機会を推進する役割を持ち、事業の方向性を決めたり売れる仕組みを作ったりすることが主な仕事内容です。この記事では、BizDevの詳しい業務や向いている人、求められるスキルなどを深掘りしていきます。

この記事でわかること

・BizDevとは何をする仕事なのかがわかる!
・BizDevに求められるスキル・向いている人がわかる!
・BizDevからの転職先・キャリアパスがわかる!

BizDev(事業開発)とは?普通の営業企画とどう違う?

事業開発(BizDev)は日本語にすると事業開発という意味で、外部の事業主との結びつきを高めて事業の拡大を目指すのが目的です。よく比較されるのが通常の営業企画で、どのように違うのか気になる方は多いですよね。

営業企画は、主に既存のビジネスの売上向上やシーンに合わせた営業プロセスの最適化を意識したビジネスモデルを持っています。対してBizDevは市場リサーチや新規事業の開発、パートナーシップの形成など、企業の成長を促す多角的な役割を担います。つまり、BizDevは「新しい価値を生む」ことに注力し、営業企画は「既存の価値を最大化する」ことが主目的です。

BizDev(事業開発)の主な仕事内容は?

事業開発の職務内容は企業ごとに異なることが多いですが、一般的には以下のような仕事が含まれています。

BizDev(事業開発)の主な仕事内容

・マーケットリサーチと戦略設計
・パートナーシップと提携
・新規事業の立案と実施
・営業とマーケティングの戦略策定

営業からマーケティング、新規事業立案まで業務範囲が広くやることも多く見えますが、定義が定まっていない上各企業によって少しずつ違います。ここでは、BizDevを募集している3つの企業(ラクスル、メルカリ、マネーフォワード)はBizDevをどのように捉えているのかを、募集要項に沿ってBizDevの仕事内容について解説していきます。

ラクスル[3~10年後の価値を作る新規事業担当者]

各事業における“非連続”な事業価値を創造するポジション。数年後のあるべき姿を描き、その実現に向けてビジネスモデルを策定したり、必要な経営リソースを調達したりしながら、事業成長・変革をリードすることがミッションです。担当領域は、マーケティング戦略の立案・実行、サプライチェーンの開発・最適化、オペレーション組織の構築・マネジメント、プロダクト揮発への支援・貢献と幅広く、圧倒的な当事者意識と手触り感を持ってビジネスをドライブできる、やりがいにあふれた職種です。

ラクスル募集ページ

全国の印刷会社と提携した印刷シェアリングサービスを行っている「ラクスル」で出しているBizDev求人は、立場的には新規事業担当に近い位置付けの募集要項で、求められるものもハイレベルな内容になっています。このように、ラクスルはBizDevに対して新規事業担当者のような権限を渡し、会社の事業領域を広げる役割を渡していることが伺えます。

メルカリ[事業の破壊的成長をリードする存在]

事業開発チームは、グループ全体のミッションである「あらゆる価値を循環させ、すべての人の可能性を解き放つ」を実現するために、メルカリのマーケットプレイス事業の破壊的成長をリードすることを目指しています。メルカリグループの既存事業や領域の枠を超えて、これから会社が考えるべきこと、やるべきことを新たに考えるチームです。

事業開発チームの一員として、メルカリグループの成長を加速するために積極的に行動していただきます。これには、新しいビジネスやサービスの立ち上げを主導したり、パートナーとの提携を結んだり、サービス全体を改善し成長させるためのさまざまな戦略を考案するプロジェクトに参加したりすることが含まれます。

メルカリ募集ページ

日本を代表する上場ベンチャーで、CtoCコマースから決済、直近はHR領域への参入もあるメルカリですが、BizDevの役割はすごくシンプルです。ラクスルの「BizDev=新規事業」とは違い、さらに抽象度が高く、裁量権が広いことが特徴です。メルカリでは、企業の今後の方針を固めて成長を促す新しい開発者としてのポジションを確保しています。

マネーフォワード[事業を横断して会社の価値を底上げる存在]

横断役割の中で、得意な部分やキャリアを考えつつ業務をお任せしていきます。(全てこなせる必要はありません。)
①横断的なオペレーション/運用課題のプロジェクトマネジメントの実行
横断での販売戦略立案~実行支援、ナレッジ活用
②戦略上必要な事業成長のためのオペレーション構築
事業課題の特定、戦略・戦術立案~実行支援
③データ活用可能なオペレーション構築、データ整備と利活用の支援
データの見える化・活用推進、定量データ分析による事業運営のPDCA支援
④オペレーションのベストプラクティスの言語化と意思決定を主導する               ビジネスサイドのオペレーション最適化、他部署への転用など

マネーフォワード募集ページ

マネーフォワードは、確定申告や会計、労務管理などのバックオフィス系のSaaSをはじめ、BtoCの比較サイトの運営など複数の事業を持つ企業です。自社プラットフォーム(プロダクト)の価値最大化を目的としているため上記2社に比べ業務内容が明確で、社内データをフル活用して現状の課題解決に取り組むポジションが募集されています。

BizDevとは、企業専属のコンサルタント!

・未来を見据えてビジネスモデルを考える仕事
・既存事業に囚われない新規事業の立ち上げや改善を行う仕事
・事業同士の繋がりを強化し、効率化や課題解決
を行う仕事

BizDevに必要な能力・向いている人[ベンチャー企業3社から見る]

先ほど紹介した3社の募集要項から、BizDevに必要な能力やスキルをまとめてみました。以下で説明するような能力を持つ人は、BizDevに向いている人と言えるでしょう。

データを分析して事業の成長を促す[分析力]

BizDevにおいては、自社のデータを効果的に分析して新しい事業のチャンスや既存事業の拡大の手がかりを見つける能力が重要です。この分析力を持つことで、異なる角度やマクロ・ミクロの視点から新しい発見をすることができ、過去のデータや外部の動向をもとに将来のトレンドや市場の変化を予測することも可能となります。

さらに新しい事業を進めるためには、新規プロジェクトが間違いなく成功すると言える根拠やデータが必要不可欠です。そこで大量の情報の中から本質的なデータを選び出し、そのデータを基に有効な事業戦略を行う能力が求められます。

ステークホルダーを巻き込む[営業力]

分析したデータや戦略をもとに、企業内外のステークホルダーとの連携を図るためのコミュニケーション能力も必要です。具体的には、提案内容の価値を他の部署やパートナー企業に理解してもらうための説得力や、長期的な信頼関係を築くためのリレーションシップ構築のスキルが要求されます。また、ビジネスの現場での急な変更やトラブルにも柔軟に対応する能力が必要です。

ステークホルダーとは?

ある企業や組織に関与し、その成果や運営に対して利害関係を有する人、または企業や組織に影響を与える人のことです。簡単に言えば「利害関係者」で、顧客だけでなく従業員や株主なども含まれます。

BizDevが多くの企業で求められている理由

ビジネス環境は日々変化しています。新しいテクノロジーの出現や市場ニーズの変化、競合状況の激化など、企業が直面する課題はさまざまです。このような状況で生き残り成長を続けるためには、単に既存ビジネスの延長線だけでなく、新しいチャレンジを積極的に行い高みを目指す必要があります。ここで主役となるのが、BizDevです。

事業開発では既存事業の売上拡大はもちろん、新規事業の創出やパートナーシップの構築など、企業の成長戦略全体を担う役割を果たします。市場に新しい価値を提供することで、企業は競争力を強化し、持続的な成長を達成することができるのです。

結論として、BizDevは企業が今後も競争力を保ち、さらなる高みを目指すために不可欠なポジションであり、現在多くの業種・業界で求められています。そのため、BizDevは非常に市場価値の高い職種と言うことができ、年収も高い傾向にあります。


BizDevで培ったスキルを活かしたキャリアパス

BizDevは新しくまだまだ手探りで活動している方の多い職種のため、

BizDevではどのようなスキルが身に付くの?
BizDevを経験した先にはどのようなキャリアパスが広がっているの

など転職を決めるには不安要素が多いですよね。ここではまだまだデータが少ないものの、BizDevで身に付くスキルにはどんなものがあるのか、BizDevを経験した方が次どのような転職先を選択しているのか、などその可能性をいくつか紹介します。

他社向けに課題解決を行う[戦略コンサルタント]

BizDevで培った自社事業拡大に向けた市場分析や競合調査、成長戦略の策定などのスキルは、戦略コンサルティングファームでも高く評価されます。戦略コンサルタントとは外部企業に向けた新たな戦略を提供し利益を追求する職種で、BizDevと深く共通点があります。戦略的な思考とビジネス洞察力が求められる環境で、クライアントに対してビジネス課題の解決策を提供する仕事は、BizDevの経験をほとんどそのまま活かすことができるでしょう。

自社製品開発の責任者[プロダクトマネージャー

BizDevでの経験は、プロダクトマネージャーとしてのキャリアにも適しています。プロダクトマネージャーのプロダクトとは企業が生産する製品のことで、この企業のプロダクトに対して全体の責任を負って決定権を有する職種です。BizDevで培ったスキルをもとに、プロダクトの企画や開発、ローンチ、そして市場戦略の策定など総合的な役割を果たせることが期待されます。特に新規事業や製品立ち上げの経験がある場合、プロダクトマネージャーとして即戦力になる可能性が高いです。

新規事業の中心メンバーになる[事業開発本部・新規事業担当

BizDevでは事業の成長や新規事業の展開をメインに行うため、大手企業やスタートアップ企業の事業開発本部や新規事業担当ポジションは、BizDevのキャリアパスとして魅力的な選択肢です。他社との提携やM&A、新規市場進出など、幅広いビジネス領域において経験を活かして企業の成長へ大きく貢献できるでしょう。特にスタートアップ企業では柔軟性や起業家精神を重視するため、BizDevのバックグラウンドを評価する企業が多いです。

BizDevへの転職に役立つ資格

BizDevには、必要な資格はありません。しかし、BizDevは企業の大きな事業に関わる重要な上流工程の職種のため、それなりに高いビジネススキルを要求されることを理解しておきましょう。

資格特徴内容求められるスキル
システムアーキテクト試験上流工程作業に必要な知識が身に付く国家試験業務のあらゆる分析や要件定義、外部設計など、上級システムエンジニアに強い試験上流工程作業、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の知識
プログラムマネジメント・アーキテクト(PMA)PMPやアーキテクチャ資格(ITIL、TOGAF)といった他の資格が必要プロジェクト計画や実行、監視、開発、課題解決などに強いプロジェクト管理、アーキテクチャの知識、リーダーシップ
中小企業診断士中小企業支援法に基づく国家資格現状分析と成長戦略に関する助言が行える資格中小企業に関する専門的知識、連携能力、広範なビジネス対応能力
日商簿記2級~1級受験者が多い人気の資格で、お金の管理に強くなれる会計・財務など実務に役立つ実践的な問題が豊富で、経営者など上流工程の役職におすすめ簿記の基礎から実践的なスキル
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