キャリアJUMPはあらゆる職業について徹底解説する『職業図鑑』です。この記事で紹介するDXコンサルタントは、クライアント企業に対してDX化を行って課題解決や利益拡大をサポートする職業です。この記事では、そんなDXコンサルタントのお仕事を紹介いたします。
DXコンサルタントとは?
DXコンサルティングは、デジタルと経営の知識を持つ専門家であるコンサルタントが企業のデジタル変革(DX)をサポートするサービスです。具体的な支援内容は、業務のデジタル化やビジョンの策定、ビジネス変革の支援、新規事業や製品の提案など多岐にわたります。
DX化を行うコンサルティング業務は元々IT系コンサルティングファームが主体でしたが、近年ではBIG4やアクセンチュアなど大手コンサルティングファームをはじめとする、戦略系や総合系のコンサルティングファーム、大手ITベンダー、総合商社、広告代理店などもDXコンサルティング市場に参入しています。したがって、DXコンサルタントはますます需要や求人の数が増えている注目の職業です!
DXコンサルタントの仕事内容
ここからは、DXコンサルタントの仕事内容について紹介します。1つのDX化プロジェクトができるまでの流れに合わせて、順番に解説していきます。
[DX戦略立案]でビジョンを設定
DXコンサルタントは、まずクライアント企業の経営課題や社内環境などを分析し、業務改善や新規事業の創出などDX化で達成すべきビジョンや目標を定める役割を担います。DXコンサルタントは顧客主義のため、本当にクライアント企業にとって良い変革が起こせる最善の策なのか、予算に収まっているか、実現可能性はあるかなどを慎重に吟味していきます。新しい事業を立ち上げる際には、予算計画や収益化の仕組み、スケジュールなどを詳細に計画書にまとめ、事業の実現に向けた具体的な道筋を描きます。
本当に効果が出るのか確認する[PoC(概念実証)]
戦略立案が終わり、いよいよ新しい事業やサービスを創出しようというフェーズに入ると、次にDXコンサルタントは「PoC(概念実証)」を行います。PoCでは新規事業やIT戦略などの実現可能性の検証や試作品の開発などを経て、「全社的な変革」が行える事業なのかを慎重に確認していきます。
社内のDX化に向けた[人材確保や組織作り]
DXプロジェクトでは、従来行ってきた企業の社内ルールや事業モデルの大幅な変更が必要になることがあります。そこで社内の各関係者との交渉や調整を行い、DXに適した体制構築を支援するのもDXコンサルタントの重要な役目です。これには経営層へのDXの意義の説明や、新事業に向けた部署の立ち上げなどが含まれます。
長期的な利益拡大に繋がる[DX人材の育成]
DXコンサルタントは、デジタル領域での人材不足に直面しているクライアント企業のDX人材育成も支援します。必要なDX人材の要件を定義し、研修やセミナーを通じてスキルアップを図っていきます。また外部からのDX人材採用時には、選考基準の策定や面接プロセスの設計をサポートし、適切な人材の獲得まで寄り添います。さらに、デジタルリテラシーの向上のためのマニュアル作成や研修の実施も重要な役割です。
このように、DXコンサルタントはクライアント企業のデジタル変革を全面的にサポートし、競争力の強化とビジネスの成長を促進する職業です。他にも、DX化の本格的な実行のサポートなどとにかく業務量が多く、忙しない毎日を送ることとなるでしょう。
DX促進コンサルティング業務を行っているコンサルティングファームに職属する、新卒2年目のコンサルタントの1日のスケジュールはこちらの動画を参考にしてください!
未経験からDXコンサルタントになるには?IT知識は必須?
結論、未経験からDXコンサルタントを目指すことは十分可能です!基本的に特別な資格や知識はいらず、未経験者OKとなっている求人も多いです。しかし、DXコンサルタントはハイレベルな職業なため、「全くの素人からは採用されるか不安…。」「採用されてもついていける自信がない」などと思う方は多いですよね。確かにDXコンサルタントとして通用するには、ITやDXに関する知識や具体的な業務経験があると採用がスムーズに進みやすいのが現況です。
DXコンサルタントへの転職に有利な職歴/経験
ここからは、そんなDXコンサルタントで必要とされるスキルに近いものが身に付く職歴や経験、資格などを紹介していきます。紹介する職歴や経験を参考にDX人材を目指し、未経験からの転職を目指しましょう!
IT企業での職務経験
DXコンサルタントへの転職には、IT企業での職務経験が非常に有利に働くでしょう。IT企業での経験は、DX化業務に欠かせないデジタル技術に関する深い理解と実務スキルを獲得する絶好の機会です。IT業界の特にSIerはDXコンサルタントの業務内容との共通点が多いです。そうした職歴をアピールできれば、DXコンサルタントへの転職は比較的容易と言えます。
マネジメント経験
DXコンサルタントへの転職では、マネジメント経験も重要な要素です。これには、チームのリーダーシップやプロジェクト管理、戦略立案などが含まれます。マネジメント経験は、チームやプロジェクトを率いる能力を示し、DXプロジェクトにおける複雑な課題の解決や、多様なステークホルダーとの協力をスムーズに進めるために不可欠です。組織内の変化管理、チームビルディング、目標達成への導き方など、経験に基づく洞察とスキルは、DXコンサルタントとしての成功に大きく貢献します。
全くの未経験者でも熱意を伝えよう
DXコンサルタントなどDX分野の求人ではDXに関する経験やスキルを持つ人が有利ですが、DX経験者はまだ少なく、ニーズに対して供給が追い付いていません。そのため、DXをほんの少しかじった経験がある人やDXに興味がある人も採用対象となっています。全くの未経験だとしても、DX化にかける熱い思いをぶつければ、十分採用は狙えるでしょう。
DXコンサルタントが持っておきたい資格
DXコンサルタントになるために必須の資格はありません。しかし、実際DXコンサルタントへの転職を果たそうとすると、関連資格を1つも持たずにというのは極めて困難でしょう。ここからは、DXコンサルタントに効率よく活用できる資格をいくつか紹介していきます。
DX検定
DX検定はDXに関する知識や用語の理解度を測る試験で、DXコンサルタントを目指すなら必須の資格です。級はなくスコアによってレベル認定証とステッカーがもらえます。試験内容はビジネストレンドと先端IT技術トレンドに大別され、各種イノベーションや理論、AI、IoT、ビッグデータなどが出題範囲です。最新の知識にアップデートしていくため、定期的に受験してスコアを伸ばし、より高いレベルを目指して勉強を続ける人が多数です。
ITパスポート/ITストラテジスト試験などのIT系資格
DXはIT領域なので、IT系資格を1つでも所持しておくことがおすすめです。しかしIT系資格の中にも色々あり、主に大学生が取得するような基礎レベルのものからプロのエンジニアが数年かけて取得するレベルのものまであります。せっかく勉強するからには、DXコンサルタントに効率よく活かせるレベルのものを選びましょう!
資格名 | 概要 | DXコンサルタントへのおすすめ度 |
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ITストラテジスト | 企業のIT戦略を立案し、事業を高度化・最適化できる能力を証明する資格です。経営的視点と具体的なシステム開発能力を兼ね備え、全社的なDX推進に有用できます。 | ★★★★★ |
G検定/E資格 | AIに関する知識を問う検定試験で、今注目を集めています。G検定はビジネス側の担当者向け、E資格はAIエンジニア向けです。AI技術の基礎知識とビジネスへの応用方法がDX推進に有効です。 | ★★★★☆ |
IPA | 情報処理技術者試験における各種資格、基礎レベルの難易度です。IT分野の幅広い知識と技能を証明するもので、これさえあれば後悔はないでしょう。 | ★★★☆☆ |
ITパスポート | ITの基本的な知識と用語、利用方法などを理解するための入門資格です。IT業界への理解を深めるため、IT分野に苦手知識がある方はこれから挑戦してみましょう。 | ★★★☆☆ |
プロジェクトマネージャー(PM) | DXコンサルタントに必須な、ITに特化したマネジメント能力が磨ける試験です。戦略立案から検証、実行まで一連のマネジメントスキルが体系的に見に付きます。 | ★★★★★ |
DXコンサルタントに向いてる人は?
ここからは、DXコンサルタントに向いている人・素質を持っている人を紹介します。面接時にこれらの強みをアピールすることで、採用されるチャンスを高めることができるでしょう。
細かいところまで気を配れる人
DXコンサルタントで携わるプロジェクトを成功に導くためには、クライアント企業の細かな課題を見逃さない観察力やデータや情報を正確に分析し理解する能力が求められます。細かいところまで気を配れる人であれば、これらのスキルを自然と発揮できるでしょう。
知的好奇心・探究心が強い人
日々進化する先端技術についていくために、常に新しい知識や技術に対する強い好奇心と探究心が必要です。自ら新しい情報を取り入れたいという意識を持つ人材であれば、新しいアイデアや解決策を生み出すためのインプットを欠かさない優秀な人材となります。