求人広告営業の仕事内容は?未経験からの転職方法や必要スキル/資格・向いてる人など解説

法人営業

キャリアJUMPは、あらゆる職業について徹底解説するいわば『職業図鑑』です。この記事で紹介する求人広告営業は、企業に対して求人広告サービスへの広告掲載を提案・サポートする仕事です。この記事では、そんな求人広告営業のお仕事を紹介いたします。

☑この記事でわかること
・求人広告営業は未経験でも転職できるのか
・求人広告営業を目指すのに向いている職歴
・求人広告営業で得られるスキル・それを活かしたキャリアパス

求人広告営業は大きく2つに分けられる

求人広告営業は、主に「直販」と「代理店」の2つの形態が存在します。企業の形態がこの2つのどちらかなのかによって、仕事の流れやビジネスモデルに違いがあります。

自社にメディアを持つ[直販・メーカー]

直販では、自社のメディアを活用して広告掲載費で利益を出しています。掲載費用は基本的に一定で、大手や知名度の高い企業が主に行っており、独自の情報やノウハウを持っています。しかしその分ある程度仕事の流れがパターン化されている特徴があります。

自社メディアを持たず複数メディアを扱う[代理店

代理店では複数のメディアを取り扱っており、多様な媒体を提供しているため色々な形態での広告掲載を行えます。複数のメディアと連携を取れる反面、サービスの品質や利益率に差が出ることがあります。

求人広告営業の仕事の流れ

求人広告営業は具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。ここでは求人広告営業の具体的な仕事の流れを紹介します。

・テレアポで新規開拓する
・広告内容の策定
・掲載後のサポート

営業職として重要な[テレアポでの新規開拓]

求人広告営業における「テレアポ」は、新規クライアントとの第一接触を果たす大切な工程です。ここで上手くいくことでその後のビジネスチャンスに直結するため、早速高い交渉スキルと戦略が求められます。まず、適切なターゲット企業の分析と慎重な選定作業は欠かせません。業界の動向や市場調査、過去の取引履歴や情報収集をしっかりと行うことで、交渉すべき企業を見出していきます。

次にテレアポに入りますが、自社の求人広告サービスのメリットや特色、その企業にとっての価値を的確に短く伝える能力が求められます。実際のテレアポではいきなり拒否されることも多く、ここでの心の持ちようや忍耐力が試されます。しかし一度成功すれば、その後の商談のチャンスが広がっていきます。テレアポ終了後も、フォローアップのメールや資料の送付などを行って長期的な信頼関係を築き、双方にとって有益なビジネスを進めていく土台を作ることが大事な仕事です。

具体的に案を練っていく[広告内容の策定]

次に広告の中身を作っていきますが、ここで重要なのは、企業の求める人材像とターゲット層の期待を繋げることです。まず、テレアポで勝ち取ったクライアントからの情報やニーズをしっかりとヒアリングし、企業のブランドや求める人材のスキルや性格など、広告に盛り込むべき核となる情報を引き出していきます。次に、これらの情報をもとにどのような文章で、どんなビジュアルで伝えるかの大枠を設計します。デザインでは、そのメッセージを視覚的に訴求する力が求められます。

また、どのメディアに掲載するかも重要な判断ポイントです。ターゲット層のメディア利用状況や広告の形式やサイズ、掲載コストなど多くの要素を総合的に考慮して最適なメディアを選択します。求人広告営業とはただ求人広告の掲載を提案するだけでなく、実際に広告の中身まで制作することから多角的な視点と柔軟な思考が求められる作業です。

長期的な付き合いを目指す[掲載後のサポート]

求人広告の掲載後、営業の役割は終わりではありません。むしろ、このフェーズが真のサービスの質を示す瞬間とも言えます。まずは、掲載後の広告の効果分析を行います。クリック数やページビュー、さらに実際の応募数などの具体的な反響の数値をしっかりと収集し、これらのデータをもとに広告の成功度を評価します。

次にクライアントと定期的にコンタクトを取り、掲載効果や応募者の質に関するフィードバックを収集します。このフィードバックは次回の広告戦略を考える際の基盤となり、これを基にクライアントに対して次回の広告戦略の改善提案を行います。この時、特定のターゲット層へのアプローチ方法の変更や文案のブラッシュアップなど、具体的なアクションプランまでを提示します。こうすることで顧客との信頼関係をさらに深めていき、長期的な関係を目指していく目的があります。

求人広告営業は未経験でも目指せる?

結論から言うと、求人広告営業が属している人材業界は他の業界と比べて転職しやすいです。その背景には、人材業界には特別なスキルがほとんどいらないこと、営業職にはポテンシャル採用が多くキャリア採用を狙わなくても十分採用が見込まれることなどが挙げられます。

求人広告のノウハウや広告文の作成方法などは実際に業務を行いながら学べますが、それでも未経験からでは不安という方は多いですよね。すぐに即戦力として働きたい場合や少しでも有利に転職を進めたい方などは、以下の求人広告営業に有利な職歴やスキル、資格を確認しましょう。

求人広告営業に有利な職歴

求人広告営業は、さまざまな企業や業界のニーズを理解して適切な求人広告の提案を行うのが仕事です。求人広告営業に転職するためには決まった実務経験が必要というわけではありませんが、広告の作成に関わる仕事のため、特別にアピールできるスキルを持っていることで転職が有利に行えるかもしれません。以下では、特に有利とされる職歴を3つ紹介します。

交渉スキル・プレゼンスキルが役立つ[一般的な営業職]

一般的な営業職での経験は、同じ営業職である求人広告営業において非常に重宝される経験です。営業職で培った顧客との関係構築の技術や交渉のスキルは求人広告営業でもそのまま活かせるため、即戦力としての採用も見込めます。さらに、営業職の経験者は市場の動向や顧客の実際のニーズを直接感じる機会が多いため、求人広告の提案内容も具体的かつ実効性の高いものと評価されやすい傾向にあります。実際に顧客のフィードバックを受け取りながら提案を改良する能力も、営業経験者には自然に身についていることが多いです。業界関わらず営業職の実務経験が数年ある方であれば、求人広告営業への転職は比較的容易かもしれません。

同じ業界内での経験をアピールするなら[人材業界の職歴]

求人広告営業は、人材業界を4つに分類したうちの1つ「求人広告」にあたる、人材業界の職種です。同じ人材業界内での実務経験があると、求職者や顧客企業との間に立って仕事を行った経験から、ある程度現場の雰囲気が分かっている人材として重宝される傾向にあります。

求人広告営業は通常の営業職と違って実際の広告の内容まで考える必要があり、どのような情報が応募者の目を引くのか、どのようなフォーマットや言葉遣いが効果的であるのかといった知識が不可欠です。人材業界での実務経験があれば、求職者の求める情報や魅力的な点を正確にキャッチして広告に反映させる能力に長けていると言えます。

広告業界でのスキルをアピールするなら[広告・マーケティングの経験]

広告やマーケティングの専門的な経験を有する人は、求人広告営業にとって強力な武器となります。これは広告業界のトレンドや変動を熟知しており、顧客への提案時に現行の市場状況をもとにした最適な策を講じることができるためです。例えば、広告の効果測定方法や最新の広告技術を持っている人であれば、広告の最適化やROIの向上を具体的にアドバイスできますよね。こうした人は特別なスキルを持つ人材として、容易に転職ができるでしょう。

またマーケティングの知識を持つ人は、ターゲット層の洞察や消費者行動に基づく戦略的な提案が可能で、求人広告の成功確率を飛躍的に高めることのできる人材です。具体的には、コンテンツマーケティングやSNS活用、SEO対策といった最先端のマーケティング戦略を組み込んだ提案ができるため、クライアントからの信頼も一気に深まります。このような広告・マーケティングの実務経験は、競合他社との差別化要因として、また顧客との深い関係性を築く上で欠かせない要素と言えるでしょう。

求人広告営業に向いている・素質があるのはこんな人!

求人広告営業で活躍するためには特別なスキルや資格は必要ないものの、転職を目指すなら向き不向きがあるものです。ここでは、求人広告営業に向いている人の特徴を紹介します。業界で働くことを考えている方やすでに働いている方への参考として、どんな人が向いているのか紹介します。

・トレンドや最新情報を負うのが好きな人
・人の悩み相談に乗るのが好きな人
・複数のSNSを使うのが好きな人

求人広告営業に向いている・素質がある人として、トレンドや最新情報を負うのが好きな人が挙げられます。広告業界は特に市場動向がコロコロと変化するため、変化に迅速に対応できる柔軟性が重要です。また、人の悩み相談に乗るのが好きな人であれば、求職者の抱えているニーズや悩み、さらには顧客企業の抱える採用の課題までを理解する洞察力を磨けるでしょう。そして、複数のSNSを使うのが好きな人は文字通りマルチメディアの活用能力に長けており、求人広告営業で活用が求められる多様なメディアに対して苦労が少なく対応していけるでしょう。

求人広告営業に必要・活かせる資格

求人広告の営業職に必要な資格は特にありませんが、業務内容に深く関わる人事分野や広告分野の資格、その他市場価値を上げられる特殊な資格を紹介します。

国家資格がおすすめ[キャリアコンサルティング技能検定]

キャリアコンサルティング技能検定は日本の国家資格で、人材のキャリア形成や転職のサポートなど人材業界に関する専門知識が問われる資格です。合格すると「キャリアコンサルティング技能士」になれます。試験内容はキャリア形成に関する基礎知識、キャリアカウンセリングの技法、労働市場の動向など多岐にわたります。国家資格ということもあり難易度は高く、実際のカウンセリング経験や深い学問的知識が要求されるため、合格率はそれほど高くはありません。

求人広告営業においてキャリアコンサルティング技能士の称号を持っておくと、広告のターゲットとなる求職者のキャリアニーズや求職動向を的確に捉えることができると高く評価されます。さらに、営業活動において企業側の採用担当者との交渉時にも、効果的な求人広告のアドバイスや提案が可能となり、業務の質を高めることが期待されます。

ウェブ関連の広告に強い資格3つ

資格名試験内容年間開催回数合格率求人広告営業への価値
ウェブ解析士ウェブサイトの分析、トラフィック解析、ツール利用方法など複数回70%以上オンライン求人広告の効果測定と最適化提案の専門性を示し、具体的なデータを分析するスキルが磨ける。
GoogleアナリティクスGoogleアナリティクスの基本的な操作から高度な利用方法まで随時受験可60%程度クライアントとの信頼関係構築や広告最適化に役立つ。応募者の流入経路や閲覧動線の解析が可能になる。
Webリテラシー試験Webおよびビジネスに関する基礎知識を問う随時受験可60%程度Webに関する最低知識が学べる。Web広告やオンライン媒体の理解に役立つ。

これらの資格は、求人広告営業において欠かせないオンライン広告やウェブ解析などウェブに関するスキルをアピールできるおすすめの資格です。ウェブ解析士資格とGoogleアナリティクス資格は特にデータ分析に強いため、求人広告営業への転職を目指すなら他と差をつけられる可能性が高まります。

デザイン系の専門資格もおすすめ

資格名試験内容合格率求人広告営業への価値
アドビ認定アソシエイト(ACA)ウェブサイトの分析、トラフィック解析、ツール利用方法など非公開グラフィックデザインスキルを証明し、広告デザイン制作に役立つ。
Webデザイナー検定Googleアナリティクスの基本的な操作から高度な利用方法までベーシック:前期69%/後期64.8%、エキスパート:前期38.2%/後期55.4%Webデザインの知識とスキルを証明し、web求人広告の製作に役立つ。

求人広告営業の平均年収・給与の仕組み

求人広告の営業職の給与は、多くの要因によって変動します。その中でも、特に経験や実績が年収の大きな要因となります。一般的に、求人広告の営業職の平均年収は400~500万円程度とされています。特に、営業職ではインセンティブ制度を導入している企業が多く、売上や新規顧客獲得などの成果に応じてボーナスや報酬が支給される場合があります。しかし、インセンティブといっても不動産や金融業界に比べるとそこまで額は高くなく、営業職でガツガツ稼ぐというイメージからは少し遠いのが実情です。

勤続年数が増えると管理職やリーダー職への昇進のチャンスも増え、それに伴って基本給や役職手当なども増加します。その結果、8年以内には年収が500万円以上を目指すことが現実的になるでしょう。

求人広告営業で培ったスキルを活かせるキャリアパス

求人広告営業で培ったさまざまなスキルを活かし、新たなキャリアアップを叶えている人は多くいます。ここでは、求人広告営業に転職した後はどのようなキャリア形成の道が開かれるのかを紹介します。

広告を扱った経験から[広告代理店・広告会社]

求人広告営業の経験は、広告代理店や広告会社でセカンドキャリアを積むのに最適な実務経験です。まず、求人広告営業で培った企業との関係構築能力やニーズ把握のスキルは、広告業界での多様なクライアントとの取引に直結します。求人広告営業で広告全般の戦略提案やクリエイティブ面への理解を深めていれば、そのまま問題なく転職できる可能性が高まります。

広告業界への転職を意識して求人広告営業でキャリアを積む場合、広告業界のトレンドや最新技術に敏感になることをおすすめします。空いた時間で広告のデザインに関する資格などを取得し、ポートフォリオで実績をしっかりとまとめておくなどの準備をすることで、広告業界で実力を買われるチャンスが巡ってくるでしょう。広告業界は変化が速く競争も激しいですが、求人広告営業の経験を武器に挑戦してみてください。

理想的で人気のキャリアパス[採用・人事コンサルタント]

求人広告営業から採用コンサルタントへの転職は、人事業界でのキャリアアップとして理想的です。コンサルタント職は給与水準が高くレベルの高い職業として有名ですが、求人広告営業としての経験は企業の採用ニーズや市場の動向を深く理解する上で非常に有利です。採用コンサルタントは、企業の採用戦略の策定や効果的な採用手法の提案が主な業務となるため、求人広告以外で課題解決をできることから非常にやりがいを感じられるでしょう。

また、営業経験者としてのコミュニケーション能力やクライアントとの関係構築のスキルも、このキャリアパスに役立ちます。求人広告営業では企業と求職者の間の最適なマッチングをサポートする役割を担うため、いわば板挟み状態になりがちです。そんな人材業界での経験から、顧客と自社の利益のどちらも追求するために上手く立ち回ることが期待できます。

超大手・一流企業も狙える!?[一般企業の人事職]

求人広告営業に関連する仕事もチェック!

求人広告営業の仕事内容に興味がある方は是非、以下の関連する仕事もチェックしてみて下さい。あなたのやりたいことを仕事にできるヒントがあるかもしれません。

求人広告デザイナー

求人広告デザイナーは、企業の採用広告をデザインする専門家として、クリエイティブなスキルと広告に関する知識を持っています。目を引くデザインは求職者の関心を惹きつけ、効果的な応募を促進するため、非常に重要な役割を果たします。求人情報の伝え方、色彩の選び方、タイポグラフィなど、細部にわたるデザイン要素の調整が求められます。また、ウェブ、新聞、雑誌などの異なる媒体ごとの特性を理解し、顧客の求めるブランドイメージやターゲット層に合わせた広告制作を行います。

人事・採用コンサルタント

採用コンサルタントは、企業の採用戦略の策定や最適化をサポートする役割を担います。企業のビジョンや文化、業界背景を深く理解し、その上で効果的な採用手法や流れを提案します。人事領域の深い知識はもちろん、市場の動向、業界のトレンド、求職者のニーズなどを踏まえたアドバイスができる能力が求められます。また、企業側と求職者側の両方とのコミュニケーション能力も不可欠です。

広告営業

広告営業は、自社や他社のメディアに広告出稿を促進する役割を持ちます。この職種は、求人広告だけでなく、製品やサービスの広告掲載もサポートします。顧客のニーズを正確に把握し、最適な広告プランを提案する能力や、長期的な信頼関係を築くためのコミュニケーションスキルが必要です。市場の動向や広告業界のトレンドに敏感であり、新しい広告手法や技術の導入を提案することも期待されます。

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