経営企画の仕事内容は?未経験からの転職方法や必要スキル/資格・向いてる人など解説

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キャリアJUMPはあらゆる職業について徹底解説する『職業図鑑』です。この記事で紹介する経営企画は、「今後どのような会社を目指していくのか」など、会社の将来の方向性を見据えて中期的な経営戦略を策定する役割を担ったり経営陣のサポートを行ったりする、企業のトップ層に近い職業です。この記事では、そんな経営企画のお仕事を紹介いたします。

この記事でわかること

・経営企画はどんな仕事なのか、その仕事内容がわかる!
・経営企画に活かせる資格がわかる!
・経営企画からのキャリアパスがわかる!

経営企画とは?どんな仕事なの?

経営企画部は、CEO(最高経営責任者)の指示に基づいて中長期の経営戦略を立案し、企画の立案や進捗管理、上場など実務的なサポートを行う役割があります。「経営企画部」という部署に配属されることでこの職に就けることが一般的で、トップ層との関わりが強いことから社内で多くの経験を積んだ優秀な人材が選ばれることが多いです。求められるスキルと仕事内容のレベルが高く、その分給与も平均より高い傾向にあります。さらに上の経営層を狙えることもあり、転職市場でも人気の職業です。

また経営企画が活躍できる場としては、大企業に多い傾向にあります。経営陣・トップ層と現場との距離の遠い大企業では乖離が起きやすく、そうした現場の声を大切にしながら実務的な経営戦略の実施を行う立場として、経営企画が活躍しています。逆に中小企業やベンチャー企業では、本来経営企画が行っている業務をCEOが行っている場合が多く、そうした企業では経営企画は活躍しにくいでしょう。

経営企画の仕事内容は?

ここからは、そんな経営企画の具体的な仕事内容について紹介していきます。

経営企画の仕事内容をまとめました!

・経営戦略の立案・策定
・経営戦略の実施・進捗管理

・経営会議の資料作成・株主総会の運営などその他業務

[経営戦略の立案・策定]

経営企画の主な仕事は、会社のビジョンや目標を明確にしてそれに向けた戦略を策定することです。まずはCEOなど経営陣の意向をヒアリングして、それがきちんと反映された経営企画の立案を行っていきます。今後企業はどの方向に向かうべきかを慎重に検討していくには、業界や市場のトレンドを分析して競合他社との比較を行うことも重要です。その後具体的なアクションプランや目標設定を行い、実行に向けたプランを練っていきます。

[経営戦略の実施・進捗管理]

プランニングした経営戦略について、次は実際に実行するフェーズに移行します。経営企画が抱えるプロジェクトは1つに限らず、複数の経営戦略プロジェクトを同時にこなすマルチタスク能力が必要なのが特徴です。経営戦略を実行に移した後は、中間目標に数字が届いているかの確認をこまめに行います。もし予定通り進まない場合には、問題点を分析し次第改善策を提案・実行して再び軌道に乗せていきます。

[社内外の連携や広報活動]

社内向けに、他部門と協力して経営戦略の策定や実施、予算の管理、経営陣への報告とプレゼンテーションなどを行います。さらに社外に対しても、ステークホルダーへの経営状況の報告やビジネス提携の交渉などの連携などを通じて組織の戦略的な目標達成に努めます。

その他事務[経営会議の資料作成・株主総会の運営など]

経営企画は経営陣とその他部署の架け橋を担う性質上、経営陣をサポートするための事務作業が多くあります。経営会議で使用する資料の作成や株主総会の運営、さまざまな会議の日程調整など、だれにでもできる仕事というわけではなくとも地味な作業が続きます。

事業企画と経営企画の違いは?

経営企画は会社全体の経営を軸にしている一方、事業企画は特定の事業に焦点を当て、その方向性や目標を設定して収益向上を目指した営業や行動計画を立てます。経営企画は会社全体の目標達成に対し、事業企画は個別事業の目標達成に焦点を当てている点が主な違いです。

未経験から経営企画になるには?

結論、経営企画のポジションに未経験からでもなることは可能です。先程紹介したように経営企画は社内の優秀な人材がキャリアアップして就けるポジションのため、転職した場合でも未経験者から始まります。しかし、いきなり転職してなれるわけではありません。まずは経営企画が多く活躍している大企業への総合職転職を目指しましょう

経営企画に必要な資格は?

経営企画において特定の資格は必須ではありませんが、実際のところ経営企画はハイレベルな職業のため、以下に挙げる資格を持っている人は転職が有利に働いたり、そもそも持っていないと難しかったりする可能性が高いです。順番に見ていきましょう。

資格経営企画に役立つスキル
PMP(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)新規事業の立ち上げや戦略的プロジェクトの推進、プロジェクトの進行管理、チームのマネジメントスキルなど
データアナリスト市場動向やトレンドの分析、意思決定のサポート、マーケットデータの解析、競合分析、業績評価、予測分析など
経営コンサルタント技能検定他部門との連携、経営に関する戦略的かつ的確なアドバイスが行えるスキル
中小企業診断士中小企業の経営課題の診断と助言、成長戦略の立案とアドバイスが行えるスキル
日商簿記2級~1級財務数値分析や財務諸表の理解、経営に関する専門性の高い知識
MOS資格経営会議に使用する資料作成やパワポ作成など基本的なPCスキル

経営企画に向いている人は?

経営企画に向いている人の特徴は、他の職種にはない独自の資質やスキルを持っていることが求められます。以下に、経営企画ならではの特徴を詳細に記載します。

経営企画に向いている人・素質がある人

・論理的思考力のある人
・コミュニケーション能力の高い人
・精神的にタフな人
・マルチタスクが得意な人
・将来的に経営者になりたい人

経営企画に向いている人の特徴として、まず論理的思考力があることが重要です。これは経営企画の業務において、データや情報を基に根拠ある課題の指摘や解決策を立案するために論理的な思考力は欠かせません。次に、コミュニケーション能力や交渉力の高さも経営企画には必須です。経営企画の仕事では目上の立場である経営陣や社内外の関係者とのやり取りを頻繁に行うため、上手く渡り合うためのコミュニケーション能力やプレゼン能力が必要不可欠です。

経営陣と他部署との間で上手くやっていくための精神的タフさと、複数のプロジェクトに責任を持って取り組めるマルチタスク能力のある人材も求められます。さらに、将来経営者を目指している人にとって経営企画の役職は最適です。経営者の視点を学びながら実務経験を積むことができ、経営のいろはを身につける絶好の機会となります。

経営企画のキャリアパスは?

経営企画のキャリアパスは多様で、個人の興味やスキル、経験に応じてさまざまな道が開かれています。以下に一般的な経営企画のキャリアパスの例をいくつか紹介します。

CFO(最高財務責任者)などの経営陣

経営企画の経験を積んだ後企業の経営幹部として社内で昇進し、キャリアを進める道が一般的です。CEOやCOO(最高執行責任者)、CFO(最高財務責任者)などの要職に就き、より重い責任を持って組織全体の方向性を決定して企業をリードする役割に就けます。

プロジェクトマネージャー(PM)・事業企画

主にIT分野に置かれる役職のプロジェクトマネージャー(PM)は、新規プロジェクトの立ち上げや実行をリードする仕事です。プロジェクトの目標設定や進捗管理、リソース調整などを行いながら、チームを指導して成果を達成します。事業企画はこれに似ていて、新規事業の立ち上げや進捗管理などを行います。経営だけでなく、1つの事業を新しく立ち上げてみたい方におすすめです。

経営・戦略コンサルタント

経営企画の知識やスキルを生かして、コンサルティングファームで顧客企業の戦略立案や業績向上のサポートを行うキャリアパスも選択肢の一つです。コンサルタントはフリーランスとして独立することも可能で、幅広い業界や企業に関わることで多様な経験を積むことができます。

経営企画は将来性のある仕事なの?

経営企画の将来性は非常に高いと言えます。企業が市場のトレンドに適応し競争優位を保持するための戦略策定において、経営陣と現場との橋渡しが行える経営企画の戦略的視点が重要になってきます。また、企業の持続可能性や社会的責任など社会が企業に求めるビジョンも日々変化しています。新しい視点から企業を見つめられる人材が求められており、そんな変わりゆく社会の中に対応すべく、多くの人材が経営企画として採用され続けています。

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